80s生まれの作家女子

ロードムービー (講談社ノベルス)

辻村 深月 / 講談社



勝手にふるえてろ

綿矢 りさ / 文藝春秋




『ロードムービー』は短編集。特に表題のタイトルの短編は、小学校で学年でも人気者のトシと、いじめられっ子のワタルの友情の物語。2人が仲よくすることで、トシが意地悪な女子をはじめとするクラスメイトから除け者にされていってしまう……。
 最後の仕掛けがいかにも、辻村作品っぽい(ってまだこれで2作しか読んでないけど)、これがこの人の持ち味なのかな。それにしても、辻村美月も綿矢りさも、あと豊島ミホとか山崎ナオコーラとか、日本の学校(小学校高学年から高校・大学1・2年あたりぐらいまで)のカースト制度の描写が的確とは言わなくても、鋭く、そこであぶれてしまった登場人物の内面の独白が面倒だと思いつつ、共感できる部分もあったりする。

 綿矢りさの『勝手にふるえてろ』は、“2人の彼氏で悩む私”って、どんだけリア充の話ですかと思ったら、ひとりは中学生の頃から同級生に片想いしているて男子(イチ)、もうひとりは会社の同期(こっちが本物の彼氏/ニ)でした。ニのほうはいかにも恋愛小説めいたお話だけど、イチへの報われない片思いの話はせつなさを通り越して笑えてくる、ように描写される。いろんな姑息な手を使い、イチと再会し、少人数で飲むことになったとき、イチが主人公を「君」呼ばわり。「どうして名前を呼ばないの?」ときいたら、しれっと「君の名前忘れちゃったんだよね」との返答。主人公といっしょに脱力しちゃった瞬間。まぁ、中学時代に3言しかかわしてないなら、そうなるなと思いつつ、哀しいよね。「賞味期限切れの恋」にすがりつく自分、とはまさに上手いキャッチコピー。オタク女子の痛さを書きつつ、それをスイーツ的な甘さで最後にくるんでくれるところがいい。
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by thora | 2011-08-12 17:20 |
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